界面とは、「あるもの」と「別のもの」が接している、その境界を指します。
混じり合わない物質同士が接触している場合、そこには必ず界面があります。
「あるもの」が気体の場合は、その界面を特に表面といいます。
界面活性剤はこの界面に働きかける物質です。
界面活性剤の性質 その1 〈界面吸着能〉
水の上に油を浮かべた状態を見てみましょう。
水と油のように性質が違う物質は、そのままでは混ざり合いません。
水は、分子間力と水素結合の強い力で水分子同士くっついているのが安定した形です。
しかし、その界面付近の水分子は、接している他の物質の影響を受け、また仲間の水分子が少なくなるため安定した分子間力が得られずエネルギー的に不利になってしまいます。
そこで表面の面積を減らすために出来る限り小さくなろうとする力が働きます。これが界面張力です。接している相手が気体の場合は、これを表面張力といいます。
対して、油は分子間力の弱い力のみでくっついていますので、水ほど強い界面張力が発生しませんが、油にも界面張力が働いて小さくなろうとしています。
ここで、この水に界面活性剤を加えると、エネルギーが緊張状態にある水の界面に界面活性剤が好んで吸着します(界面吸着能)。そうすると、水の界面はエネルギー的に落ち着くことで高エネルギーの緊張状態から解放され、界面張力が低下します。
この水の表面には、水となじみの悪い親油基の部分が飛び出て並んでいますよね。
この親油基は接している油に対して、なじみが良いため油の界面に好んで吸着していきます。
油の方も界面張力が弱くなったほうが安定しますので、界面活性剤の親油基をどんどん受け入れていきます。そうすると油は親水基で取り囲まれた形になり、なじみの悪かった水とつなぎ留められ、安定して水の中に取り込まれることになるのです。
これが、界面活性剤が界面に吸着していく仕組みです。
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