界面活性剤の性質 その2 〈ミセル形成能〉
界面活性剤は、前述のように、水中で界面に好んで吸着していきます。
界面を覆いつくした後、さらに界面活性剤の濃度を上げていくと、界面活性剤は親油基同士を向い合わせ、水中で安定した形である「ミセル」という集合体を形成します。
1、界面活性剤を水に溶かすと、親油基を外に向けて表面に吸着していきます。
2、濃度を上げると、表面の界面活性剤の密度が増えていきます。
また「プレミセル」と呼ばれる小さな集合体の形成を始めます。
3、表面を覆い尽くしてしまうと、水となじみの悪い親油基を持つ界面活性剤は行き場がなくなります。
そのため、水中の界面活性剤は安定して存在するために、親油基同士を向い合せて球状の「ミセル」を形成します。
(この時の濃度が臨界ミセル濃度 cmc : critical micelle concentration)
ちなみに、ひとつのミセルを形成する界面活性剤の数は、その界面活性剤によって様々です。
(10個…62個…149個…)
4、さらに濃度を上げると、ミセルの数がどんどん増えていきます。
5、球状ミセルの濃度が高くなるにつれ、ミセルはより安定した形を求めて構造を変えていきます。
図:ミセルの構造変化
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