ここまで、お洗濯について、特に界面活性剤を中心に考えてきました。
より安全でより快適なお洗濯のために、こういった界面活性剤の特徴を実際のお洗濯にどう生かしていくと良いのでしょうか。
 
 
合成界面活性剤に限ってだけではなく、洗剤・石けん・洗浄剤などを用いた様々なお洗濯の場面も含め、そのポイントをまとめてみました。





 

 

成分を確認する

 

赤ちゃんにも安心」と書かれている製品の多くが、残念ながらそうではない成分を含んでいます。ビルダーや状態改良剤といった不必要な成分を含んでいるばかりか、主となる合成界面活性剤に皮膚刺激性の強いものが使われていることが多々あります。
敏感肌用」といった表示の製品も同じです。


また「無添加」とは本当に誤解を生みやすい表示であり「何の成分が無添加なのか」は製品をよく見て確かめなければいけません。ひとつの成分だけ(例えば香料)でも不使用の製品は「無添加」と表示することができるためです。

 
自然にやさしい」「エコ」など環境に配慮されていそうな謳い文句の製品もあります。そのような製品でも、刺激性の高い合成界面活性剤や生分解性の悪い成分が含まれていることは多々あるのです。
また「自然由来」という言葉が、合成界面活性剤においては必ずしも「自然の素材を原料にしている」ことを指しているわけではないことは先に述べました。→他の合成界面活性剤の構造は?



「イメージ」に囚われず、中身の成分を自分で判断できるよう知識を深めることが、結果的には自分や家族を守る盾となります。
 
 

そして、「抗菌」「防臭」「静電気を軽減」「繊維を保護」「香りが持続」などといった謳い文句については、「成分が洗濯物に残留してこそ発揮できる効果」であることを改めて認識することが大切です。
どちらにせよ、こういった成分は、常に肌に触れ続ける衣服(特に肌着や下着)には残留してほしくないものではあります。


製品の謳い文句を鵜呑みにせず、それが果たして本当なのか、成分を見て本当に目的に沿う製品かどうかを自分で判断しましょう。




最後に…成分についてもですが、製品を作っているメーカーを知ることも意味のあることです。


家庭用品品質表示法による雑貨工業品品質表示規定では、雑貨に分類される洗濯用合成洗剤は、全成分の表示が義務づけられていません。→洗剤の成分表示の決まりは?
日本石鹸洗剤工業会の成分情報開示に関する自主基準によって詳細な成分情報の開示が勧められていますが、メーカーのホームページ上でのみ確認できる形式であったり、成分名が伏せられている現状では、消費者に伝わりにくいのも事実です。


この成分情報の開示に関しての姿勢は、メーカーによっても異なります。
消費者の健康や環境への配慮といった製品の安全性を、メーカーとしてどこまで追求しているのかもそれぞれ違います。


製品には、そういったメーカーの思いや性格が表れています。
安心して納得して使える製品かどうか、それをメーカーを知ることによって判断することもできるでしょう。














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